外国為替市場の不都合な真実

ヘッジファンド等のプロのお客さんや同僚のディーラーは、「専門家」の予想を全く聞いていません。メディアに流れている情報は想像と妄想、ねつ造と勘違いばかりです。なぜ皆さんは信じるのですか?

プロフィール

富田 公彦

Author:富田 公彦
中西けんじ参議院議員(自由民主党:神奈川県選挙区)秘書
元JPモルガン・チェース銀行為替資金本部副本部長
1980年東京大学経済学部卒
富士銀行入行(1986年退職)
以後、JPモルガン、モルガン・スタンレー、ステート・ストリートなど米系金融機関に通算26年勤務
2013年金融市場から引退
ケイマン籍ヘッジファンドの経営には失敗(^_^;)シマッタ

<著書>
「なぜ専門家の為替予想は外れるのか」
(経済評論家・山崎元氏の書評)

「為替ディーラーの常識非常識」(共著)

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実効為替レートは、黒田日銀総裁から使用禁止と言われていますよ!

2016.01.21

category : トンデモ予想

ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(BBH)の伊庭さん。BBHには、

「今年は1ドル=130円を超える(135円と言う記事も見た様な)」

と言う予想を出している村田さんと言う通貨ストラテジストがいますから、この方はディーラーかマネージャーでしょうね。
この会社(銀行ではありません)は市場部門をNYに集中していますから、ご自分でリスクをとる方ではないでしょう。

「今日も株や原油の動向を見ながらの展開。ただ、ドル円は底堅いと思う」

え?昨日の夕方6時頃一瞬115円台に突っ込んだ時、原油なんて全然動いていません。
欧州株はその1時間ぐらい前から始まっていて、ずっと安値圏でダラダラしていましたよ。

何度も言っていますが、短期で為替をやっているディーラーや投機筋は、お隣の株とか、ましてや原油マーケットなんて見ているヒマはありません。
しかも「底堅いだろう」と結論だけ言われても、、、

(アナウンサー)「今後は」
(伊庭さん)  「中国の混乱は沈静化する。ムード先行の円買いは収まる」

根拠を示して頂きたいですね。これでは「神のご託宣」です。

(伊庭さん)「円の実効レートから見ても、円買い一服感が出る」
<下の2つの内、上のチャートだけが登場>

伊庭さんドル円実効レート

<TV画面の写真が撮れなかったので、日銀HPから実質実効レートのチャートを作りました。伊庭さんが見せていたのは、実効為替レート(名目)の様なので若干違いますが、3年ぐらいなら上のチャートと似たり寄ったりです>

どうして2012年以前を見せないんですか?

上の様な2012年から(だけ)の実効為替レートのチャートを見せられても、何の説得力もありません。
下のチャートの赤い部分だけを、画面いっぱいに横に伸ばして見せるって変ですよね?

見せると話がぐちゃぐちゃになるからですね(笑)

下のチャートは、今朝の伊庭さんとは逆に、円高派のべき論ストラテジストがよく使いますよね?

「実質実効レートでは、まだ大幅な円安状態だ!」

って。
これを使えば、いつでも「円高予想」が作れる事が分かりますね(上に行くと円高です)。
だから、我々は「使用禁止」「取扱注意」と言っていました。

黒田日銀総も、

「こんなものを見て現実の為替の議論をしてはいけない」

と国会で答弁しています。

総裁は、日本の為替政策をつかさどる財務省の財務官も務めたと言う通貨マフィアの中の通貨マフィアです。
こんなもの出してきちゃダメです。黒田総裁に怒られますよ。

ちなみに、本でも紹介しましたが、

「自分に都合の良いところまでしかデータは遡らない(チャートは見せない)」

と言うのが、この手のトンデモ予想の常とう手段です。

*ご参考*
(黒田日銀総裁の2015年6月参議院財政金融委員会での、中西議員に対する答弁)
「実質実効為替レートは迂遠(うえん=実用に向かない)な指標です。これで現実の為替の予想や水準の議論をするべきではありません」

国会答弁と言うものは、公式の記録が残る非常に重たいものです。
ちょっと言い間違った場合でも、後から「訂正を認めてくれ」と言う公式文書が回ってきますよ。

本に書いていたのはこんな話です

金融緩和で投機資金が増える?

2016.01.20

category : お役立ち?情報

学者やエコノミストのみなさんは、「金融緩和によって投機資金が供給された為に、、、」と判で押したように説明します。
不勉強な「専門家」は、当たり前の様に語っています。

若い頃は、「えらい大学の先生や、高名なエコノミストの皆さんが言うのだから本当だろう」と考えていました。

しかし、短期間とは言え日本のまともな銀行に勤務し、その後四半世紀以上国際金融の世界にいた者としては、この説明にずっと違和感を感じていました。

その内、自分自身が、大学教授やエコノミストの皆さんより高齢になりました。大学時代の仲間が、何人も教授になりました(彼らは優秀ですが、、、、)。
そして、大学教授やエコノミストが、金融の現場を知らない事を実体験から学びました。

金融緩和で、投機資金が「新たに」供給される事はありません。ただの勘違いです。

「金融緩和で投機資金が供給される」と言っている皆さんは、金融機関が資金使途欄に「投機・投資」と書いている稟議書を通すと思っているのでしょうか?

(バブルの時期に、日本興業銀行が料亭の女将に何百億も貸したのは驚きましたが、、、、今は、やるはずがありません)

投資家とは「おカネを持っている人」です。ヘッジファンドなどの運用会社は、投資家からおカネを預かっている人です。

おカネを「借りる」必要はありませんし、貸してもらえません。

また、金融が緩和状態であろうが引き締め状態であろうが、金融機関が投機家に許容するレバレッジに大した変化はありません。

ただ、現象面として、商品や株式その他の「投機の場」とみなされる市場におカネが入って来ている事は確かです。

なぜでしょう?

これは「金融緩和で投機資金が供給された」からではありません。

投資や投機に回る資金の総量は、ほとんど変化しません(制度がいい加減な新興国辺りから、多少は染み出すでしょうが、、、)。

「金融緩和によって投機資金が供給される」と言うのは、「風が吹けば桶屋が儲かる」と言っているのと同じです。

金融緩和→→金利が下がる→→金利収入が減る→→投資家・投機家の期待するリターンが取れない→→価格変動リスクをとる世界に行って収入を得ようとする→→商品・株などの世界に手を染める

と言う経路です。

インカム・ゲインの世界から、キャピタル・ゲインの世界におカネが移動すると言う話です。

投資や投機に回るおカネの総量が、大学教授やエコノミストが想像しているほど増えている訳ではありません。

現象面だけを見れば、リスク(キャピタルゲイン)をとろうとするおカネが増えるのは確かです。

ただ、この経路が分かって話をしている大学教授やエコノミストが何人いるんでしょうね?

「円キャリートレード」の存在を信じている様では、期待できないですね。

だから相関関係じゃ相場は張れないっていってるでしょ!

2016.01.20

category : トンデモ情報

HSBCの花生さん、
「原油価格と中国のGDPには相関関係がある。しかし、すでに収れんしている。従って、、、、ドルは堅調」

全然ないとは言いませんが、相関係数は高くないですよ。計算しましたか?

原油価格の下落と中国のGDPの、どっちが卵でどっちが鶏ですか?

で、原油価格が下がるとドルが買われるんですか?売られるんですか?
原油価格とドルとは、基本的には「逆相関」です。どうも「原油価格が上がると、ドル円が買われる(正の相関)」と聞こえますが、、、

視聴者のみなさんは聞き流すでしょうが、厳しい相手からは、「収れんしたからって、それがどうした?」って突っ込まれますよ。
また開くかもしれないですから。

「一緒に動く」から、相関関係が高いと言うんじゃありませんか?
チャートで示している様に、「後になって追っかけてくる」と言うのは変ですね。

相関関係が低かったから、「収れん」する事になった訳でしょ?
離れていた間は、「相関関係がなかった」と言う事になります。

原油価格がああだこうだで、絶対に短期の相場なんか張らないで下さいね!
昨日は原油価格がダラダラ下がり続けましたが、ドル円は逆に上昇に転じています。

ちなみに、今の原油価格の下落は「産油国側の供給要因」と言うのが、原油の世界のプロの話でしたが、、、

中西けんじ議員が自民党推薦候補となりました

2016.01.20

category : 未分類

<こちらが本業です>
以下、中西議員のメッセージです。

本日、次期参議院選挙における神奈川県選挙区の自民党推薦候補予定者として発表されました。

これまでの160回以上にわたる国会質問では建設的な政策提言を行うことを心がけてきました。

失われた20年を二度と繰り返さないという原点に立ち、政策実現の使命を達するために努めていきたいと思います。

中西議員のFBです

中西議員のHPです

利上げ回数予想よりも景気動向

2016.01.19

category : お役立ち?情報

インフレ見通しが下方修正されそうなので、アメリカの利上げの回数は「1回減ったかな」と思っています。

ただ、アメリカの景気見通しに、過度に悲観的になるべきではないとも思っています。

確かに、12月の小売売上高が予想より大幅に悪かった事には驚きました。暖冬だった上に、ガソリン価格が下がった事で外出が増え、冬物衣料以外の消費が増えると思っていたので、「アレ?どうしたんだろう」とは思っています。

それでもミシガン大学の消費者信頼感指数は11月91.3、12月92.6、1月93.3と上昇しているので、まだ「悲観」するのは早いと思います。

原油価格の大幅な下落は、基本的に供給側(産油国側)の要因であると考えています。当然ですが原油消費国への所得の移転が起きる訳ですから、少なくとも先進国経済にとってはプラスです。

あくまで「利上げ」ではなく、「景気動向」に注目すべきではないでしょうか?

IMMは「投機筋」の代表ではありません

2016.01.19

category : お役立ち?情報

「投機筋、アベ相場で初の『円買い』」と言う事実は間違いありません。

IMMポジション

しかし、よく見ると、「投機筋の持ち高」の動きと円相場の動きがあまり同じではない事が分かります。

IMMを「投機筋」の代表の様に取り上げるのは時代錯誤です。本に書いた通り、大手のヘッジファンドは、80年代以降IMM等と言う狭い場所ではなく、大手の金融機関と直接外国為替取引をする様になりました。

あそこでドタバタやっているのは、小口の投資家だけです。とても「投機筋」の代表などとは呼べません。

実は、私のいた金融機関はビッグデータ解析によって、ヘッジファンド全体のポジションを推計していました。そのポジションとIMMのポジションは、同じこともあればまったく反対だったこともあります。

こう言う情報は「ああ、そうか」程度に留めるべきです。

私の本の要約は、こちらをご参照ください

終身雇用は日本の伝統?

2016.01.19

category : 経済論

「もはや戦後ではない」と復興を宣言した日本経済は、1954年から1973年までの19年間、「アジアの奇跡」と呼ばれる高成長を記録しました。その秘密を探ろうと、世界中の研究者が日本と日本企業の分析に乗り出した事は言うまでもありません。

その結果「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言う心地よい言葉と共に示された「終身雇用、年功序列、企業別労働組合」の3要素(いわゆる三種の神器)を、多くの日本人が「強さの源泉」であると信じました。

しかし、終身雇用制が日本の家族的経営文化に基づくものでない事は、すでに1970年代初めに「日本的経営の神話」として指摘されていました。
一橋大学の津田真徴教授は「戦前の日本の労働者の転職率は、先進国の中で最も高かった」と言う事実などを挙げ、「日本の伝統的な文化や習慣に根ざすものではない」と明確に否定しています。

実は、終身雇用と呼ばれる様な長期雇用状態は、成長を続ける企業や組織では「自然に起きる事」です。日本特有のものではありません。
例えば当時のIBMやP&G等と言ったアメリカの企業でも、成長が続いた時期に「実質的に終身雇用状態となるほど長期間働く従業員」が大勢いたとされています。

この事は、組織図を書いて考えてみると分かりやすいと思います。企業に限らず、ほとんどの組織はピラミッド型です。このピラミッドが大きくなっている間は、様々な部署やポジションが生まれ続けます。
従って、大多数の社員は、ごく自然に「係長、課長、部長」などと言ったポジションの階段をのぼりながら、長く働き続ける事が出来ます。

この原理に、洋の東西は関係ありません。「出来れば同じ会社でずっと働きたい」と言うのも同じです。私の経験からも、「理由もなく会社を変わりたがる社員」は海外にもほとんどいませんでした。

つまり日本企業の終身雇用状態とは、19年と言う長い高度経済成長期に於いて「結果的に」発生していた現象に過ぎなかった事になります。しかし、それを「日本の伝統に合致した制度であり強さの源泉だ」と言われ信じてしまった事から、ボタンの掛け違いが起きてしまいました。

<終身雇用を制度化した不幸>
バブルが崩壊し低成長時代に入った事から、この企業のピラミッドは大きくならなくなりました。そうなると、自然に成立していた終身雇用状態を維持していく事は、もはや原理的に不可能です。
しかし、「制度を守らねば日本の文化に反する」と多くの経営者が考え、すでに雇用されていた従業員も「守られて当然」と考えました。

しかも、長い間「終身雇用制は社会的慣習である」とみなされていた事から、この状態を法的に支える枠組み・制度が出来上がりました。つまり、状況の変化によって経済合理性を欠くことになる慣習が、制度として固定化された事になります。

現在、労働契約法第16条では「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして無効とする」と定められています。
また、「整理解雇の4要件(①人員整理の必要性、②解雇回避努力義務の履行、③被解雇者選定の合理性、④手続の妥当性)」のいずれか一つが欠けても解雇権の濫用となり、解雇が無効となる事が判例によって示されています。


<ゆがめられた労働市場が成長を阻害>
この様に「解雇を最後の手段とする事」が制度上からも要求されていた為、多くの企業はまず新規採用の中止や抑制によって対応しました。
その結果、新卒一括採用の時期が「就職氷河期」に当たってしまった若者は、日本企業の特徴である「現場での訓練(OJT:オン・ザ・ジョブ・トレーニング)」を受ける機会を失い、未熟練労働者のまま今に至っています。

この事は、組織をいびつな形にしただけではなく、日本企業の強み、ひいては日本社会全体の競争力を削ぐと言う結果をもたらしました。
また、生産性の低い産業分野から高い分野への円滑な人材の移動の障害ともなり、日本経済の潜在的な成長力を抑えてしまっています。

やがて新規採用の抑制だけでは対応しきれなくなった企業は、希望退職を募り、さらには希望とは名ばかりの「実質的な退職の強要」を行ないました。
その極端な例が、解雇規制をかいくぐる為に作られた、いわゆる「追い出し部屋」への配置転換です。不自然な希望退職に追い込まれた社員が、どれほどつらい思いをしたかは想像に難くありません。

一方、制度上「希望退職を強要せねば適正な人員にならない」状態を経験した経営者も、同様につらい立場に立たされました。
この経験から、企業は「解雇がしやすい非正規社員」を、「雇用の調整弁」として利用する様になります。その結果、労働市場はさらにゆがんでしまいました。

現在の労働市場は、「慢性的な残業と、一方的な指示による転勤・配置転換を受け入れる事で雇用が保証される正社員」と、「職種と勤務地は選べるものの、低賃金で雇用の保証がなく熟練度も低い非正規社員」と言う二重構造となっています。

かつての非正規社員の大半は、主婦や学生などが補助的な収入を得る為のパートやアルバイトと言った形態が占めていました。従って、この二重構造が、深刻な問題として取り上げられる事はありませんでした。

しかし、今は需要がある時にだけ派遣会社と雇用契約を結び、派遣先に送り込まれる非正規社員(派遣社員)が増加しています。

この派遣社員の多くは、正社員とほぼ同じ仕事をしています。と言うのも、「雇用の調整弁が欲しい」「二度と追い出し部屋を作りたくない」と言う企業側の都合によって、正社員ポストが派遣社員ポストに変更されただけだからです。
つまり派遣社員の多くは、従来通りの枠があれば正社員として働いていたはずなのです。

しかも、この二重構造の為に、「無定限な働き方を強いられる正社員」に過重な負担が掛ったり、会社全体としての一体感が無くなったりすると言った問題も発生しています。この事によって、かつての日本企業の強みが無くなっている事は大きな懸念材料です。

もし解雇規制が現在の様に極めて厳しくなければ、企業としても派遣社員ではなく正社員として雇っていたはずです。その証拠に、解雇規制が緩いアメリカには、日本の様な就労形態の派遣社員は存在しません。
しかも、人種、性、年齢などによる差別を禁じる雇用平等法制が整備されていることもありますが、「同一労働同一賃金」がかなり厳密に成立しています。「同じ仕事をしているのに賃金が大幅に違う」等と言う事はあり得ません。

アメリカにも派遣社員はいます。しかし、呼び名は同じでも、医者や弁護士、IT技術者などと言った特殊な技能を持ち、即戦力となる高給取りの専門職です。


<解雇規制は誰を守っているのか?>
「解雇規制を緩めるべきだ」と言う主張に対して、「金銭を払う事で、解雇をし易くするのは怪しからん」と言う意見があります。
しかし、多くの中小企業では、「労働契約法第16条」も「整理解雇の4要件」も無視した解雇が横行していると言うのが実情です。金銭補償などありません。

現在の厳しい解雇規制を盾に訴訟を起こして戦う事が出来るのは、労働組合によって守られた「一部の大企業の限られた正社員」だけです。中小企業から不当に解雇された従業員には、訴訟などやっている余裕はありません。

従って、例えば「月給の12か月~24か月の金銭補償により解雇出来る」と言う形で規制を緩めるものの、「もし、払わずに解雇した場合は、労働契約法違反ですぐに摘発される」等と言った明確な規制を定めて保護すべきです。

この状態を是正しなければ、「制度によって守れられた大企業労働者、制度に頼る事が事実上不可能な中小企業労働者、調整弁にされる非正規社員」と言うゆがんだ雇用構造を温存する事になってしまいます。


<真の成長戦略とは>
「金融・財政政策の次に必要なのは成長戦略だ」と言われます。ただ、政府の主導によって作られた産業政策的な成長戦略によって成長率が上昇した例は、先進国ではほとんどありません。
日本の高度経済成長が、当時の通産省などの産業政策によるものではない事はご存知の通りです。社会主義国は、「政府主導の計画経済が、その非効率さの為に行き詰ってしまう事」をはからずも証明してくれました。

成長戦略とは、本来地味なものです。解雇規制の緩和もそのひとつです。

これによって、成熟産業・衰退産業から成長産業への人材の移動が進みます。「雇用の調整弁」が欲しい為に、本来正社員を置くべきポジションに派遣社員を採用する必要もなくなります。
そうすれば、派遣会社に支払われていた30%~50%と言う手数料は、正社員となった元派遣社員のものとなり、新たな中間所得層が誕生します。

「雇用は安定するが無定限な労働を強いられる正社員と、不安定な非正規社員の二重構造」と言うゆがんだ労働市場を正常化すれば、共働きの夫婦が子育てをしながら働くことが可能となります。この一つ一つの積み重ねが、成長への重要な役割を果たすことになります。

もちろん「職業訓練制度の拡充」「職業紹介制度の拡充」「企業を移動しても不利にならない社会保障制度の整備」などが必要な事は言うまでもありません。しかし、非正規社員に様々なリスクが集中する構造を改善する為に必要なのは、非正規雇用への規制強化ではありません。

VIX指数とドル円の水準を比べて「円高が行き過ぎ」ですって!?

2016.01.19

category : トンデモ予想

SMBC信託銀行の尾河さん、
「8月にVIX指数が50を超えていた時と比べると、今は27ぐらいだ。それなのに同じ水準まで円高が進んでいる」
「(VIX指数が示す)市場の不安度合いと比べると円高は行き過ぎ」

え?そんな無茶苦茶な、、、、

VIX指数の水準と為替の水準に、何か関係があるんですか?

確かにTVに出している部分だけを見ると、何となく関係がありそうですがそんな訳がありません。
vix指数とドル円―短期

急いで過去5年のVIX指数とドル円のチャートを上下に並べてみました。
「水準の話」なんて、絶対に出来ないことが一目瞭然です。

下のチャートの赤い線から右の部分だけを切り取って、しかも水準が合う様に目盛りを調節して見せただけです。

こんな話を信じて「そうか円高は行き過ぎだ」なんて、絶対に考えないで下さい。

vix指数とドル円―長期

そもそもVIX指数の算出法と根拠をご存じなんでしょうか?

要するにオプションのボラティリティです。しかも「株式」ですね。為替ではありません。

ボラティリティとは、値動きのドタバタ度合を指します。

従って、計算の対象となる株価指数が過去と同じ水準だとしても、急落している時とゆっくり動いている時、毎日一定の割合で動いて到達した場合とドタバタしながら到達した場合では、VIX指数は全く違った数値になります。

しかも、どこまでも上がり続けたり、下がり続けたりするものではありません。時々大きく変動することがあっても、必ずある一定の水準の間を上下動します(2段のチャートの上の方がVIX指数です)。

いくらなんでも、、、

次の「プロの眼」コーナーでの為替の解説なんですが、コメントしたくありません。

間違って見てしまった方は、きちんと記憶から消してくださいね。

私の本の要約は、こちらを読めば十分です(苦笑)

2016.01.17

category : 雑談

0:52 - 2016年1月7日
時々「本に書いた通り」とツイートしていますが、お読みになっていらっしゃらない方は「何のこっちゃ?」かと思います。

経済評論家の山崎元氏が、見事に要約して下さっているのでご参照下さい。1512円節約出来ますよ。買っちゃった方ゴメンナサイm(__)m

第256回 推薦図書「なぜ専門家の為替予想は外れるのか」(富田公彦著、ぱる出版)

本当に怖いのはデフレ

2016.01.17

category : 経済論

「過ぎたるは猶及ばざるが如し」と言う諺の通り、デフレもインフレも行き過ぎては困ります。

しかし、悪魔の選択とまでは言いませんが、二者択一を強要された時にインフレを選択するべきである事は、金融界に留まらずビジネスの世界にいる人間にとっては自明の事です。

例えば私のいた金融の世界と言うのは、「資金を持っていても利益を生むアイデアの無い人と、アイデアはあっても資金の無い人を結びつける」のが本業です。

ところが、デフレは負債の実質額を膨らませる為、借金をする人を窮地に追い込みます。日本は、この「アイデアがあっておカネのない人」が苦しむ世界となってしまいました。その結果、イノベーションの活力を損ない、ひいては国の活力が奪われてしまいました。

苦しんだ人々の大半が「やる気もアイデアもあるのに、過去の蓄積のない若者」である事は、容易に想像がつきます。「借金をしてイノベーションの夢を追う100歳の老人」が、皆無とは言いませんが、、、

デフレとは、「アイデアもなく、挑戦する事もなく、現金を壷に入れて抱えている人が一番利益を得る」と言う異常な世界です。

資産家(すでにおカネのある人)は、間違っても「投資をしよう」などと考えてはいけません。現金こそが最高の投資先です。活用してもらおうなどと余計なことをすると、踏み倒されて帰って来なくなります。

失業の心配がなく、安定的に給与をもらえる人も、我が世の春をおう歌出来ます。その代表が公務員や公務員に準ずる身分の人達である事は明らかでしょう。

学部レベルのマクロ経済学では、「フィリップス曲線」と言うものを学ぶはずです。横軸に失業率、縦軸に消費者物価上昇率をとっただけの簡単なグラフです。自由主義経済体制の先進各国では、この曲線は右下がりのカーブを描きます。

つまり、「物価が下がると失業率が上がる」と言う事です。特に「2%」を切ると、失業率が顕著に上昇します。グラフで見ると、右の方に横っ飛びで走ってしまう感じです。

もうお分かりだと思います。なぜ黒田日銀総裁が、「2%」と宣言したのか。

総裁は単なる思い付きで2%と言ったのではなく、この実証データに基づいて政策を立てたと言う事です。日銀の政策目標に、「雇用の最大化」は掲げられていません(FRBはあります)。しかし、黒田総裁が、「デフレから脱却することで、失業者を無くしたい」と考えていることは明白です。

逆に言えば「デフレが良い」と言っている人は、「あんたは失業しなさい」と言っている事になります。黒田総裁以前の日銀は、、、

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