外国為替市場の不都合な真実

ヘッジファンド等のプロのお客さんや同僚のディーラーは、「専門家」の予想を全く聞いていません。メディアに流れている情報は想像と妄想、ねつ造と勘違いばかりです。なぜ皆さんは信じるのですか?

プロフィール

富田 公彦

Author:富田 公彦
中西けんじ参議院議員(自由民主党:神奈川県選挙区)秘書
元JPモルガン・チェース銀行為替資金本部副本部長
1980年東京大学経済学部卒
富士銀行入行(1986年退職)
以後、JPモルガン、モルガン・スタンレー、ステート・ストリートなど米系金融機関に通算26年勤務
2013年金融市場から引退
ケイマン籍ヘッジファンドの経営には失敗(^_^;)シマッタ

<著書>
「なぜ専門家の為替予想は外れるのか」
(経済評論家・山崎元氏の書評)

「為替ディーラーの常識非常識」(共著)

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ

米雇用統計からイエレン議長の議会証言を予想すると、、

2016.02.08

category : お役立ち?情報

外国為替市場の参加者は、雇用統計に関しては非農業部門雇用者数の前月比が

「予想より増えたか、予想より増えなかったか」

で、とにかくまず動きます。
重要な指標が発表された時は、瞬間勝負の世界ですからこれは仕方のないことです。

ただ、もう少し落ち着いて外国為替市場に参加して稼ごうというのならば、

「雇用統計から、アメリカの景気動向をどう読むか」

という観点でもご覧頂きたいと思います。

すでにひと通りの内容は報道されていますが、我々が投資家やヘッジファンドのみなさんと議論するようなレベルにまでは踏み込んでいません。そんなものを流しても、一般の読者や視聴者のみなさんは「なんのこっちゃ?」で、視聴率や販売部数が落ちますから、、、

そこでダイジェスト版で、昔やっていた様な話を書き留めてみます。

まず結論は
「明確に利上げの回避を宣言させるほど悪いものではない」
です。

簡単にまとめると

1)非農業部門雇用者数
予想の+19万人より少なかったのですが、これで「腰折れ」と見るのは早計でしょう。
確かに10月~12月の約+28万人ペースよりも少ないのですが、私は「季節調整の失敗」の可能性を疑っています。「統計上の技術的問題」ですね。

<理由1>
--臨時雇用が12月にプラス2万5千人、1月にマイナス2万5千人とひどくブレています

そう聞くと
「当たり前でしょ。年末商戦用に大量採用があり、年明けに解雇になったんだから」

と思われるかもしれません。
しかし、そう言う月ごとのブレを消すのが季節調整です。ブレがそのまま出てしまっては、「季節調整」の意味がありません(笑)。

<理由2>
--1月の教育サービス部門の雇用者が、マイナス4万人と過去最大の減少を記録しています

去年のクリスマスは、丁度金曜日でした。従って、冬期休暇のとり方が、例年と違っていた可能性が考えられます。


ということで、この2つを見ると「統計上の技術的問題=季節調整」を疑うべきだと思います。

あ。雇用統計は「季節調整後」の数字です。ナマの数字ではありません。このことを知らずに語っている「専門家」に騙されないでくださいね。


そんなこととは別に、そもそも「雇用に手をつける前に、時短で対応する」のが当たり前です。ところが、1月の週平均労働時間は34.6時間と、12月の34.5時間から伸びています。

2)失業率の低下
労働参加率(働ける人の内、「すでに働いている」または「働くつもりで職探しをしている」人の割合)が上昇している中で、失業率が4.9%と最近の最低に下がったということは、労働市場はタイトになって来ているはずです。

その証拠に、昨年の1月頃から始まった時間当たり賃金の上昇傾向が続いています。
今月の平均時給が、予想の前月比+0.3%に対して+0.5%とむしろ伸びが加速していることにイエレン議長は注目していると思われます。

つまり

「賃金インフレ(インフレという表現が正しいのか?とは思いますが、プロの間では一般的に使われる用語なので、、、)」

が意識されることから、水曜日(と木曜日)のイエレン議長の議会証言は

「市場が期待しているほどハト派的ではない」

のではないかと思われます。

以上、引退したオッサンなので若干(というか、まったく)ツメが甘いですが、ご参考までに、、、m(__)m
スポンサーサイト

PrevEntry |  to Blog Top  | NextEntry
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

Copyright ©外国為替市場の不都合な真実. Powered by FC2 Blog. Template by eriraha. Photo by sozai-free 2000px.

FC2Ad